第38回
最高のお洒落
私は形のないものに執着します。
時間や夢。
永遠の憧れは、美しい言葉で会話をすること。
けれど、実際は主語や述語はめちゃくちゃで、
おまけに造語で話をしているし、
方言も抜けきっていません。
ところでマイフェア・レディという映画をご存知ですか。
オードリー・ヘップバーンの名作。
階級によって、人は使う言葉が違うという内容です。
この時代に言葉の重要性をテーマにした映画をつくること事体
高度な文化があったともいえるでしょう。
そう、レディにはレディの言葉があり、
下町の女の子にはそれなりの言葉があるのです。
綺麗な女性には美しい言葉が似合います。
言葉を選択する能力は最高の知性が必要です。
同じ内容の話をするにも、
言葉一つで随分と印象が変わります。
特に人に注意し、非難するような内容の場合は
顕著に品性までも表してしまいます。
人を誉めることはもっと難しい。
嫌味でなく、事実をさらりと言ってのけるのは
芸術の域ではないでしょうか。
言葉を発する時の態度も大きいですね。
いくら美しい言葉を使っていても、
態度が人を小馬鹿にしていたら逆効果です。
夢も言葉によって描かれます。
美しい言葉を使って描いた方が
困難な夢も叶いそうな気がしませんか。
最高のお洒落はきっと言葉に秘密があると思います。
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