杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第52回
砂漠に光る宝物

私はアクセサリーを殆ど持っていません。
あえて持っていない訳でもありませんし、
興味が無いわけでもないのですが、
なんとなく買う気が起こらずに
ココまで生きてきてしまいました。
百貨店のアクセサリー売り場には多くの女性で賑わっています。
女性がアクセサリーを選ぶ姿は素敵で、
小さな宝物を探すような瞳で見ています。
彼と一緒にアクセサリーを見ている若い女性も
とても幸せそうです。
きっとプレゼントをふたりで選んでいるのでしょう。

そのアクセサリーで、私はある発見をしました。
年配の女性はアクセサリーが大きいのです。
カーディガンやオーバーの胸元に
大きなブローチをしている人を多く見かけませんか。
イヤリングも、大きなものをしています。
これは中年と呼ばれる年代の女性に多く見られる傾向で、
若い女性は小さなアクセサリーをつけていることが多く、
おばあちゃんになると小さなアクセサリーに戻る人と、
何もつけなくなる人に分かれるような気がするのです。
おばあちゃんで、小さなアクセサリーに戻る方は
アクセサリーをつけることに慣れた、
おしゃれの上級者さんのように感じます。
私のような人間が、アクセサリーを買い始めると、
「せっかくお金を出して買うんだから、
目立つ大きなものを買わなきゃ損をする」
と言わんばかりに意味も無く、
大きなアクセサリーを買ってしまいそうです。
しかし、街を行くお洒落上級者サン達は
アクセサリーが小さいのです。
銀座4丁目の交差点の隅で立っていると、
小さなアクセサリーが光の加減で美しく
輝いて浮き上がって見えます。
それはまるで、砂漠に光る宝物のようです。
きっと高価なものを身につけているのでしょう。

小さなアクセサリーをつける方はきっと
身体全体を鏡で見たときに、
アクセサリーがどのような効果で光るのか、
ということが計算できている人だと思うのです。
そんなお洒落ができるようになったら素敵。


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