杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第62回
鏡よ、鏡よ、鏡さん

「鏡よ、鏡よ、鏡さん、世界で一番美しいのは誰?」
と言う悪女は、大抵の場合、ナルシストです。
自分を粗末に扱わないことは大切ですが、
度を越すとナルシストになってしまいます。
親戚や友達から、一番大切にされないと
気が済まない人と同じです。
「自分は価値の高い人間である」
ということを認めてもらいたいのでしょう。
それは他人が言ってくれないから、
自分で声を大きくして言わなくてはならないのです。
私は、最近、本物の女性というのは、
こうした嫉妬心がなくなった人のことを言うのではないか
と思い始めました。

例えば、女性メーキャップアーティストや服飾デザイナー
と言う仕事に就いている人は、
単純に「女性を美しくしたい」と心底思わなくては、
素晴らしい仕事はできないのではないでしょうか。
メーキャップをしながら、
「この女性はこういう所に欠点がある」
と値踏みするような視線を持っていたら、
メーキャップをされる人間は安心して
自分の顔をさらけ出すことはできません。
「この女性はこういう所が美しいから、
長所をもっと前面に出してあげよう」
という思いは自然に伝わるのです。
その念力が技術を越えて女性を美しくする
と思いませんか。
これらの職業に就いている人が、
「あの人は、私より綺麗」と嫉妬深い性格でしたら、
絶対に成功しません。
かといって、自分を飾っていない女性に
仕事を任せることもできません。
ですから、ファッション業界で成功している女性は、
「女性が、女性を超えて、真の人間になっている」
ようで、皆美しいのではないかと思うのです。

嫉妬心がいかに女性を醜くさせるのか、
身を破滅させるのかと考えると恐ろしいと思いませんか。
それは、ファッション業界で仕事をしている人と
話をしたときに強く感じます。
反対に、それを超えた力を女性が身につけたとき、
初めて、本当の魅力を持った女性になると思いませんか。


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