第66回
欠点とのお付き合い
「ブランドはゴロマークではなく、ロゴマークだよ。
それに、高値の花は、高嶺の花でしょっ!」
ある日父から電話がありました。
「何当たり前のこと言ってんの?」と返事する私に、
「ちゃんと原稿を確認するように」と父は念を押します。
私は嫌な予感を感じながら、ホームページを開きました。
父の言う通り、「ブランドはゴロマーク」になっており、
「高値の花」と載っていました。
自分が世間に恥を撒き散らして歩いているようで、
落ち込んでしまいました。
そう、私はケアレス・ミスが多いのです。
可愛く言えばおっちょこちょい、田舎風に言えば、抜け作、
医学的に言えば、注意力障害、
簡単に言えば、とろい、または馬鹿なのです。
物心ついた頃から、この欠点には随分悩まされました。
どうやったら、ケアレス・ミスを防ぐことができるのか、
色々方法も考えました。
もしかしたら、医学的な病気なのかもしれない、
注意力障害という、一つの障害ではないかと自分を疑いました。
こういう人間は、絶対に医療関係に就職してはいけません。
他人に多大な迷惑をかけても、
取り返しのつかないことになってしまいます。
トラブルが起こっても、すぐに対応すれば救われる仕事と、
取り返しのつかない仕事があります。
医療関係は人命が関わっているために、
取り返しがつきません。
ですから私は医療関係にだけは就職してはならないと、
肝に銘じています。
人間は必ず欠点を持っています。
どんなに身分の高い人であっても、
お金持ちであっても、欠点を持っています。
他人の欠点は目につきやすいのですが、
自分も同じように持っています。
美しく女性が年を重ねていくうえで、
自分の欠点とどう付き合ってゆくか
ということはとても大切なこと。
自分の欠点をはっきりと自覚し、
上手にお付き合いのできる人が、
他人の欠点とも上手に
お付き合いができるのではないでしょうか。
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