第69回
お断りの返事はスマートに
現在は会話する道具だけ発達してしまいました。
携帯電話、メールはその代表です。
けれど、その道具を自分の都合のいい時だけ
利用する人がとても多いと感じませんか。
頼みごとをするときにだけすぐに連絡を取ってきたり、
待ち合わせの時間に5分でも遅れようものなら、
すぐに携帯電話で
「今は何処にいるの」と抗議します。
そうかと思うと、
「映画に行きませんか」
という問い合わせに対し、
何の音沙汰もないということが珍しくありません。
私はお断りの返事を迅速に、しかもスマートに
言うことのできる人に人間の品性を感じます。
これだけ会話する道具が発達しているのに、
返事をしないのは、失礼なお断り方法ではないでしょうか。
誰だって都合があり、他人のお誘いに全て応じていたら
自分の時間がなくなってしまいます。
そこで、お断りのセンスが問われます。
「ごめんね。その日は他の用事が入っているから」
「このところ、仕事が忙しいから
落ち着いたらまたこちらから連絡するね」
というだけでいいのです。
それを早く答えるということも、
今の時代には必要なことだとおもいます。
私は、こちらのお誘いに対して、何の音沙汰もない人を
その後信用はしません。
トラブルを自分の力で処理する意欲と能力がないような
印象を持ってしまいます。
私が邱先生のファンになったのは、
先生がお断りの返事を早く相手に伝えるべきだということを
どこかで書かれていたためです。
たとえ、相手が「あなたとは、お付き合いしたくありません」
ということを考えていたとしても、
自分は、その日、時間を空けておこうか気にかかっています。
ビジネス上での約束ならば、
金銭問題にも発展しかねません。
そういう小さなマイナス点をちゃんと消去しておかなければ、
大きな問題になってしまうこともあります。
女性がお断りの返事をスマートにできたなら、魅力的。
男性のお誘いに対して、
ウィットに富んだ返事を返すことができたら、
きっとその男性は大人の男性に変身してしまいそうです。
それがもし、女性であったなら、
私はその女性を好きになり、お友達になりたいと思います。
お断りの返事はスマートに。
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