杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第74回
悲しみよ、ついでに嫉妬も、こんにちは

「悲しみよ、こんにちは」を17歳の時に読みました。
著者のサガンがこの本を書いた年齢です。
私は自分の幼稚さを恥じ,
同時に、仏という国は随分とオマセな国だと
感じ入ったのを記憶しています。
少女が大人になる時に
「悲しみ」という感情の存在を認識する、
ということがテーマの小説を、
17歳で書いてしまう精神的成熟に感心しませんか。
10代の不安定な精神状態は、
この「悲しみ」という感情に無意識に
振り回されているために起こるのだと思います。
大人になっても、情緒が不安定な人が沢山いますが、
本人がこの「悲しみ」という感情に真正面から
取り組んでみたならば、不安定な情緒とも
上手く付き合ってゆけそう。

私は、本当の意味で大人になるということは
この「悲しみ」と同時に、
「嫉妬」という感情を持っているということを、
自分で気付くことでもあると思います。
その人間の心理に気付いている人は、
自分が嫉妬の対象にならないような
言葉を選んで人と会話しています。
誰からも好かれている人は、
「嫉妬」という感情を自他ともに上手に付き合っている人か、
元々「野心」を持っていない人です。
人間関係を上手にやって行くのは
どんな業界に居ても、とても大切なこと。
「嫉妬」を上手くかわしてゆくのは人間関係を円滑にし、
自分の感情を上手にコントロールしてゆくうえで、
重要なことだと思いませんか。

「嫉妬」は、女偏が二つも付いて、
女性に付き物だと昔の人は思ったのでしょうか。
女性の嫉妬に苦しんだ、男性が勝手に考えたのでしょうね。
それにしても、嫉妬でエネルギーを
無駄なことに使ってはもったいない。
私は「嫉妬」の感情を口に出して、
心の外へ吐き出してしまいます。
「すごいね、上手だね、素晴らしい」
お腹はすっきりして、
決して腹黒くはなりません(?)ので、お薦め。


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