第75回
辞めたい病につける薬
たとえ小さなことでも、
継続するということは大変です。
同じ会社に勤め続けるだけでも大変。
女性の場合は、営業で外に出る、
転勤で全国、海外を飛び回るという機会が
男性より少ないため、
勤めている時にアクセントがつきにくくなります。
そのために、毎日が単調になりがちで、
そのうちに、「今日は何曜日だったけ」
というようなことにもなりかねません。
私など、好きな音楽をやっていても
辞めたくなります。
「あー、芸術の奥は深すぎる。
つらい、遊びたい、辞めたい」
こんな気分は周期的にやってきます。
考えてみれば、贅沢な悩みです。
発展途上国で学習する機会の無い人に比べたら、
雲泥の差なのですから。
今年、「もし世界が100人の村だったら」
という話がインターネット上で世界中に流行しました。
これは、先進国の人間が、私のような「辞めたい病」
にかかっているような状況でもあると思うのです。
今ある幸せに満足し、感謝することもなく、
「もっと、もっと」幸せはないのかと
探し回っても見つからず、
焦燥感だけを募らせているのではないでしょうか。
そういう私も、その一人です。
だから、贅沢にも「辞めたい、辞めたい」
と愚痴をこぼしている。
「辞めたい病」につける薬はあるのでしょうか。
これは、常に崖っ縁に立っている状態で
生きて行く他はないと感じ始めました。
シャカリキになっていれば、
辞めたいなどと愚痴をこぼすこともないでしょう。
それができないのであれば、
「辞めたい病」にかかっても、
また風邪をひいてしまったなという程度で
やり過ごすしか方法はないのです。
人は自分の甘えで
「辞めたい病」になっているだけなのです。
「辞めたい病」につける特効薬は
誰でも自分の心の中に持っています。
上手にお薬を飲んで、
病気を退治することが大切ではないでしょうか。
|