杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第76回
役に立っていないコンプレックス

私は自分のやっていることに
コンプレックスを持っています。
たいしてお金にもならず、世の中の役にも立てず、
経済にも疎くなっているような気分だからです。
悪く言えば、世間知らず。
このコンプレックスを少しでも克服するために、
日経新聞を読み、ビジネスサテライトを観て、
邱先生の本を読み、物の見方を学ぼうとしていました。
けれど、勤めを辞めてやっと気付いたのですが、
もしかしたら、世のお年寄りや病気の人は
私のような気持ちなのではないでしょうか。
現役時代にバリバリと働いていた人ほど、
その落差は大きく、
人から相手にされなくなってゆくことの
寂しさが身に染みているのでは?
そこで男性は株に手を出し始めます。
家の父親も会社を退職した後、
すっかり株オタクへと変身していきました。
女性は男性に比べて、それ程社会的な行動をしていませんが、
その分、男性よりも早く
「役に立っていないコンプレックス」
に遭遇できるチャンスがあります。
このコンプレックスと上手く付き合わなければ、
豊かな人生が送れないと思いませんか。
私は幸か不幸か、「役に立っていないコンプレックス」
に早くから遭遇できてラッキーだと思いました。
なぜなら、本来人は自分勝手で、
無責任に他人のことに口出しをするからです。
私の代わりに、
人生を歩むことはできないにもかかわらず、です。

かの大女優、オードリー・ヘップバーンが、
「自分は他人を満足させることはできたけれど、
自分を満足させることはできなかった」
と若い頃に言っています。
私はオードリーのようなスター人生を送っていないので
よくわかりませんが、結局、
自他ともに適度に満足できる人生がいい、
という所に落ち着きそうです。
「役に立っていないコンプレックス」を抱えながらも、
明るく、元気に生きる姿勢が
周りを幸せにし、その幸せで自分も幸福になれる
というのが理想だと思いませんか。


←前回記事へ 2003年9月15日(月)
次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ