第89回
「元気キャラ」って何?
「元気キャラなんですね」
最近私は20歳の可愛い女の子に言われました。
「なっ、なっ、何?そのキャラというのは?」
と心の中で驚きつつも、話をしつづけました。
どうも、その「キャラ」というのは
「キャラクター」の略語のようです。
つまり、「元気な感じのする人ですね」
と言ったのです。
私は、少し戸惑いました。
「キャラ」という分類方法によって、
人間をある一定の種類に分けることに抵抗を感じたのです。
確かに、元気な感じがするかもしれないけど、
うじうじした部分もあるし、
執念深く何年も前のことを覚えていることもあります。
もちろん、おしとやかな部分も多少は持ち合わせている
と自惚れていますので、
「元気な部分だけでもないんだけどなあ」
疑問を感じました。
俳優さんでも、一度ある役柄で当たってしまうと、
同じような役柄ばかり依頼が来て悩む
というようなことを聞きます。
私は「キャラ」というのも、
「あなたは、こういう人間だ」
という役柄ばかり押し付けられているような気がしてなりません。
進歩的な人はどんな状況でも進歩的であるべきで、
保守的な人も、全て保守的な考え方をするという
単純な分類の仕方に少し疲れます。
まるで学校の先生が、
「人間とは、物事とは、絶対にこうあるべきです」
と主張しているかのようなのです。
人間はコンピューターのように、
「0と1」の組み合わせだけで出来ているのではありません。
進歩的、保守的、色々な感情のすべてが
ごちゃごちゃに複雑に混ざっているのです。
だから、ロボットを作るのは難しいのでは?
女性だって、男性的な部分もあります。
ある時はしおらしく、
またある時は男まさりに立ち向かっていく、
年齢にかかわらず、若い部分と老けた部分が
ミックスされたような女性に魅力を感じます。
色々な面があるから、人間は面白いのです。
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