第90回
メールの苦手な人はいませんか
上京したときには驚きました。
地下鉄に乗ると、殆どの人が本を読んでいたからです。
新聞を読んでいる人も大勢いました。
その殆どが、日経新聞で、
「さすが、日本の首都だけのことはある。
これはすごいことだ」
と感じていました。
しかし、数年も経たないうちに
その人達の殆どが、携帯電話を見ているようになりました。
親指をやたら早く動かして、
なにやら入力しています。
私はパソコンでしかメールをしていません。
なぜなら、実はメールが苦手なのです。
普段、一人で職人のような仕事をしているため、
人と話すことが苦手にならないようにしている、
ということもあります。
元々、「これは美しい、あれは美しくない」
などと講釈を言う人間で、好き嫌いが激しいのです。
これ以上、営業的センスがなくなったら、
社会生活もままにならなくなってしまいそうで、
恐いのです。
メールによるトラブルも増えてきています。
私も地方から知人が上京したときに、
勝手に、当日になって
時間変更をパソコンのメールに入れられ、
「一時間も待たされた」と怒られましたが、
私だって、一日中パソコンのメールを待って
生活しているのではありません。
電話一本するのが面倒で、
トラブルになっただけのことです。
ですから、私はメールは用件だけを
簡潔に送るように心がけています。
所謂、5W1Hを3行程にまとめたものを送るだけです。
メールのいい所だけを取り入れるようにしています。
女性が年齢を重ねていくうえで、
メールの使い方も変化してゆくでしょう。
年齢を重ねると、世間が相手をしなくなるといいます。
その時に、少しでも他人と話すということが、
若いとき以上に大切になると思いませんか。
読者の方からメールを頂いても、
私はメールが苦手で、
返事を書くことが出来ませんでした。
この場を借りて、お詫び並びにお礼を申し上げます。
私のコラムで、同じ意見を持っていただく
というのは嬉しいことです。
けれど、私の意見などより、
問題そのものを考えていただく
時間がほんの少しでもある、
ということに感謝をしています。
ですから、異なった意見を持っていただいても、
それはそれで嬉しいことなのです。
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