第91回
子供だけは見ています
世の中に出ていなくても、優秀な女性は沢山居ます。
普通の家庭のお母さんだって、
サラリーマンの家庭で子供を育て上げるために、
色々なやりくりをしています。
本屋の雑誌コーナーでも、「節約」「やりくり」
といった特集はいつも組まれていますし、
周期的にそのジャンルの本はベストセラーにもなります。
それだけ、ニーズが多いということです。
何か特別な能力がある、
ということも大切ですが、
長い人生を見た場合、女性が家事が好き、
得意であるということは女性として
一つの財産を持っているのと
同じ価値があるのではないでしょうか。
子供の手のかからなくなった時に、
女性の別の分岐点があるように感じます。
私の身近の女性にも優秀な女性がいます。
ご本人は、「好奇心が旺盛なだけよ」
と謙虚に話をされます。
しかし、実際に、こうした女性が
学習してきたことを世の中に提供する場所がない
というのも現実です。
世の中が男性社会で、
「抜け道」をなんとかして見つけない限り、
なかなか年齢を重ねた女性の活躍場所はありません。
けれど、私は思うのです。
子供だけは事実をみている、と。
お母さんが好奇心から大学に入り直したりして、
「学ぶ」ということがどういうことなのか、
子供は見ています。
生活に余裕がない家庭でも、
お母さんが毎日を真面目に働いて生きている、
ということを子供は見ています。
たとえ、不運にも病気になってしまったとしても、
病気と向き合う姿を子供は見ています。
直接的に世の中に何かを還元する人だけではなく、
こういった普通の女性の生きる姿が、
間接的に次世代に与える影響は
計り知れないと思うのです。
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