第92回
美しい地味派手
名古屋や大阪の「派手」のイメージは独特。
色々な色が混ざった派手さや、
金ぴかのイメージがあります。
雑誌の特集では、そのイメージを誇張するために、
わざわざそのような服を着た女性を
登場させたりしています。
「名古屋の女の子が皆こんなイメージだったらどうしよう」
と愛知県に住んでいた頃に感じていました。
若い女の子の流行は全国何処に行っても、
それ程変わりません。
若さがそのギャップを埋めているのでしょうか。
一方、銀座を歩く、美しい年配の女性達は「地味派手」です。
服の色は地味ではあっても、
デザインが派手だったりします。
例えば、黒のカーデガンを着ていても、
総レースになっていたり、
同じ黒い糸で刺繍がしてあると、
なんとも言えない優雅な雰囲気が出て、
大人の女性プラス可愛いらしさが漂っています。
これは、銀座に出て初めて気付きました。
また、服の色が地味な人はバックが可愛かったりします。
上品な柄の模様のバックを持っている
お婆ちゃんなどは本当に魅力的。
この間見かけた人は、白の刺繍の入ったバックを
肩にかけてカジュアル風に持っていました。
残暑厳しい日差しに、白のバックが涼しげです。
若いうちは、存在そのものが可愛いので、
辛口の服を着ようと試みます。
けれど少し年齢を重ねると、辛口の人は
甘口の要素を加えると女性らしさが増し、
別の魅力が加わるような気がします。
私も20代前半は大人っぽく見られたい一身で、
辛口のスーツばかりを着ていました。
しかし、今は大人っぽく見られる前に、
外見だけは本当の大人になってしまいました。
本格的なお洒落修行の始まりです。
銀座の美しい女性は、「地味派手」。
私も彼女達のように、色で遊ぶのではなく、
デザインで遊ぶということもできたら、素敵。
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