杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第102回
マリア・カラスのアイライン

今年、マリア・カラスの映画がヒットしています。
美しい歌姫の晩年の人生を描いた映画。
どんなに華やかな人生にも苦悩がある、
ということがテーマでした。
私はマリア本人のポスターの前で
立ち止まっていました。
「なんて、美しいアイラインなのでしょう」
マリアの完璧主義を彷彿とさせる、
太く、生命力のあるアイラインです。
年齢を重ねると、自然に筋肉が下がってきます。
ということは、顔の輪郭がぼやける
ということにもなります。
そこで、アイラインが登場するのです。

日本の女優さんでも、
60歳を過ぎた人をよく観察してみてください。
アイシャドウなどの色が少なくても、
必ず目元のアイラインは綺麗に入っています。
目元も年齢を重ねると、窪んできたりします。
更に、顔に色を加えると厚化粧の印象になります。
しかし、アイラインとマスカラを丁寧にすると、
目の印象が随分と違うのです。
厚化粧には見えずに、締まった顔にみえます。
女優さん達は、美しさのプロですから、
どう演出すると、下品にならずに美しくみえるか
ということを研究し尽くしています。
アイラインとマスカラはその一例だと思います。

私はアイラインをしていません。
というより、今はしていません。
何故なら、私は「ソース顔」で、
あまり目がパチクリしていると
「恐い」顔になってしまうのです。
「意志の強すぎる顔」とでも言うのでしょうか。
そのコンプレックスを軽減させるために、
アイラインを辞めて、マスカラだけを使っているのです。
もしかしたらアイラインを強調するのは、
10年後のことかもしれません。
今、私は色々なことに好奇心があり、
「あれもやってみたい、これもやりたい」と考えています。
しかし、そのモチベーションも下がる時が来るでしょう。
そのときに、マリア・カラスのような
生命力のあるアイラインをしたならば、
厳しい現実に立ち向かって行けそうな気がします。


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