杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第103回
自動車でもGO!

「こんな道の真中に、一体誰が車を止めたのっ!」
と怒っていると、
母が抱えきれないほどのクリーニングを持って
お店から出てきた、ということが2、3度ありました。
そう、私の母は典型的な田舎の女性ドライバーなのです。
道は全て自分専用、危ない思いをしたのは全て相手のせい、
皆が早く走りたくっても、私はゆっくり走りたい、
というドライバーです。
「これからの女性は車ぐらい乗れなくてはダメだ」
と言って25年前に免許をとり、
田んぼの道を走り回っています。

私の出身の愛知県は
トヨタ自動車のお膝元ということもあって、車社会です。
家に車が3台あるということも普通で、高齢の女性でも、
「ちょっとそこの畑まで」とつっかけのように
車を運転しています。
道も広く、驚くほど整備されており、
私の母のような天下無敵の女性ドライバーも、
「海がみたい」といっては、
小1時間で海を見に行くこともできますし、
大きな日常雑貨も自分で持ち帰ることもできます。

母は言います。
「車を自分で運転するということは、
自分の行きたい所に、自分で行くということだ」
当たり前だと、一笑しないでください。
これは、大げさにいえば、
「自分の一生を、自分で決め、自分の運転で進む」ための
第一歩だと母は言いたいのです。
いちいち、男性に「あそこまで乗せていって」
と頼んでから行動するのと、
頼む前から自分で買いに行く、というのでは行動力、
決断力に大きな差がでると思いませんか。
特に田舎では東京に比べ、交通が発達していません。
地下鉄で30分で、東急ハンズという訳にはいかないのです。
東京人は「電車でGO!」で済みますが、
地方の人は少し事情が違って、
「自動車でもGO!」を地で行く他ありません。
ちなみに、私は「自転車でも、GO!」
で東京中央区を走り回っています。
自分の行きたい所に、自分の足で行きます。


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