第105回
自作自演の映画はお好き?
並木道を歩くのが好きです。
なんだか、映画のラストシーンに
自分が出ているような気がします。
春の新緑の美しさを強調した絵も素敵ですが、
これからの秋色の並木道もまた味わい深いと思います。
日常や人生には色々なことがあるけれど、
ずっと続くその道を歩き続けるのだ、
というラストシーンはコメディが似合う私にも
しっくり来ると思いませんか。
私には変な癖があります。
たまに、映画を作っている
カメラマンのように日常を追ってみるのです。
自分の視角がカメラを通した映像と考えます。
その映像を映画のスクリーンで見た時に、
美しいと感じるか、面白いのかと客観視するのです。
たまに八方塞がりの状態になっていることもあります。
最近の日常を見て、
「つまらない映画だ」と感じるときもあります。
同じような時間帯に、同じことしかせずに、
練習をしていてもハリがなく、
退屈な映画だと感じたときには、
不規則なことをして味付けをします。
映画を観ていて楽しいのは、
ストーリーそのものを追うことはもちろんのこと、
壁紙やインテリアの組み合わせ、
行くことのできない異国の風景を感じることです。
ある女性は、
「一輪の花を育て、丁寧に生活していることを実感する」
と話をしてくれました。
もし、映画の中で帰宅した女性が、
まず一輪挿しの花の水を換えるという動作をする
ワンシーンがあったら、美しいと思いませんか。
皆さんはどんな日常のワンシーンが好きですか。
人はみな自分だけの映画を作って生きています。
どんな素晴らしいストーリーも美しい風景がなければ興ざめです。
美しい映画も大切ですが、もっと大切なことは、
自演自作の映画が好きか、ということに尽きると思います。
|