杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第111回
人の集まる所に、¥有リ。

私のように音楽をやっていても、
人の集まる所にお金が集まるということはよく分かります。
住宅街にあるレストランでライブをする時に、
ミュージックチャージ(音楽代金)を取るということを
大々的に宣伝するとお客さんは入りません。
お店側も心得ており、
「無料」でお客さんの入りのいい土曜日・日曜日に
ジャズ・ライブをやりますとお店に書いておくのです。
そうすると、たまたま食事にみえたお客さんで、
「初めて生ライブを聴きました。経験できてよかったです。」
ということになり、お店の入り口に籠を置いておくと、
籠一杯にお金が入っているということもあります。
(千円札が殆ど)
お店側もお客さんに喜ばれて嬉しい、
ミュージシャンは最も苦心する集客のことを
それ程心配しなくてもいい、と一石二鳥です。
やはり、人のいる所にこちらから行けば、
お金はそれ程苦心しなくても入ってくるのだと
嫌でも分かります。
ただ、音楽は食事に合う、さらりとした感じの選曲になります。

一方、「ミュージックチャージが幾らで、
何処そこでライブをやります。」
という宣伝をしてもなかなか人は入りません。
一度や二度は物珍しさで足を運んでくれますが、
「またやっている」「今度行こう」ということで、
しだいに足が遠のいてしまいます。
私はスウィング・ジャーナル(雑誌)で毎年人気投票に
名前が挙がるようなミュージシャンでも、
一晩お客さんが4、5人というような状態を何度も見てきました。
その4、5人のうちの一人のお客が
自分であったということです。
お客さんを集め続けるということはそれ程大変なことなのです。
だから私は、お客さんの要望と自分のやりたい音楽
の中間を捜すということに神経を注いでいます。
また集客をしなくてもいいような、
BGMとして音楽を求めているようなバーの仕事を
嬉しがって引き受けています。

人の集まる所に、お金あり。
人の集まる所に好奇心を持つというのも
「何か面白いことはないかな」と考えている女性には
良いヒントが転がっているのかもしれません。
ビジネスチャンスもあるかも。
「人ごみは苦手」という人もたまには
ぷらりと人の集まる所に行ってみてはいかがでしょうか。
世の中には随分色々なことに興味を持つ人がいるのだな
ということが分かるだけでも、モウケモノ。


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2003年11月3日(月)

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