第124回
恋の宴の後で
人は一生のうち、3度恋をすると言われます。
「いや、私は男性からモテタから、両手には収まらないわ」
という方もいらっしゃるでしょう。
羨ましい限りです。
けれど、本当に自分の心にぽっかりと穴があいてしまうような
喪失感を感じた恋愛は少ないのではないでしょうか。
大抵の人は、適齢期に一度やニ度の恋愛をするでしょう。
その後、失恋した人はその傷を引きずったまま
別の異性に出会って別の恋が始まります。
恋の宴が失恋で終わっても、時間が傷を癒してゆくのです。
けれど、もし恋の宴が結婚という形で昇華したとしても、
その後の結婚生活は恋の宴の何十倍の時間が残っています。
ほんの少し前まで日本人の寿命は短かったけれど、
これだけ人が長生きすると
「恋の宴の後」の時間を弄んでしまいそうです。
子供が出来て、事業などを始めたから
時間が飛ぶように過ぎていって、
気付いたらお婆ちゃんになっていた、
なんていうジェットコースターのような人生を送った人は
幸せだと思います。
相手のことを「好きか、嫌いか」なんてことを
いちいち検証する時間も無いくらい充実していたのですから。
しかし、現在の日本の離婚率を考えると、
恋の宴の後に結婚相手とどう向き合うかということは
女性が生きて行く上で無視できない問題だと思います。
私の男友達が、
「彼女の悪い所がどうしても許せなかった、
受け入れられなかった」と話していたのを聞いたときに
ピンと来ました。
恋の宴の最中は、「宴」ですから微酔い気分です。
その宴が終わった後の現実(相手の長所、短所)と向き合います。
この時に短所が受け入れられるか、受け入れられないかが
長年暮らして行けるのか、
というポイントになるのではないでしょうか。
先ほどの男友達がまた面白いことを言っていました。
「男と女は結婚すると子供同士になっちゃう。
でも、そんなこと学校も教えてくれなかったし、
どんな本を読んでもそんなこと書いてない」
恋の宴の後のお勉強は、とても難しい様子。
本人同士にしか分らない、暗号が飛び交っているのでしょう。
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