第128回
「NO.1」の女の子?
「NO.1」という言葉は女性の虚栄心をくすぐる様です。
世の中にはその虚栄心を上手に利用して、
お金儲けをしている人もたくさん居ます。
「女の子は自分が一番じゃなくちゃ嫌と思っています。
一番綺麗で、男性からもちやほやされたいのです。
だから男の子との合コンには、
絶対に自分より可愛い子となんか参加しません。
それに私には憧れの女性なんかいません。
どんなビッグな人でも必ず欠点を持っているのです。
自分が考えていることを一番大切にして行きたい。
あと、女の子が同性を誉めるなんて、
結局自分が誉めてもらいたいからじゃないですか。
結局、自分が一番ってことですよ」
と話をしてくれた女の子がいました。
合コンに全く縁のない生活をしている私は、
一瞬消化不良になりました。
そういえば、一般的に女性が「可愛い子を連れて行く」
と言って可愛い女の子を連れてきた試しがない、
と男の子達が昔、話していたのを思い出します。
女性の複雑な心理状況は様々な作家が描いています。
川端康成さんや、美輪明宏さんも
女性がいかにナルシストであるか、ということを
姿形を変えて文学やエッセイのテーマにしています。
私も音楽の師匠に、
「NO.1ばかり目指していてはいけません」
と5年ほど前に指摘されたことがありました。
自分ではそんな積もりはありませんでした。
けれど身近な師匠から指摘を受けたことは
私の大きな転機でもありました。
もしかしたら、若い時の傲慢さは
「NO.1」志願にあるのではないでしょうか。
私はこのコラムを書き始め、
気になる40歳以上の女性に
インタビューをお願いしました。
その女性達には「NO.1」志願、
自分が唯一無二の者である、と言った様子は
微塵も感じられませんでした。
もしかしたら、女性として本当に魅力的なのは、
「女性として」というよりもむしろ、
「人間的に」美しく年齢を重ねた女性が
「本物」になるのだということを実感しています。
女性として、外見を飾るのは
必要最低限のことでしかないのです。
美しさに女性も男性もないのかも。
|