第130回
団子より花を頂くわ!
銀座の百貨店などを歩いていると、
ベビー用品の売り場の面積が広いのに驚かされます。
赤ちゃんなんて直ぐに大きくなってしまうのに、
こんなに洋服が必要なのかと不思議になります。
少子化が進んで、ほんの数十年の間に
子供に掛けるお金が随分と増えているのでしょう。
値段をみても、大人のTシャツと同じくらいの値段です。
全ての子供がこんなにお洒落になった時代は
今迄になかったことでしょう。
私の母は言います。
「こんなに物が溢れている時代に子供を育てるのは難しい。
私は良い時に子育てをしたと思う。
どうやって、我慢する、ということを教えたらいいのか
非常に難しい時代になっている」
今の世の中、欲しい物はお金を出せば
大抵手に入ってしまいます。
けれど、本当に欲しいモノはなかなか手に入らない。
子供時代に簡単に欲しい物が手に入ってしまっては、
年齢を重ねるにしたがって
生きて行くのが辛くなるのではないでしょうか。
消費社会で生きて行くのも大変です。
ほんの数十年前までは
「花より団子」で物に対する欲望の方が大きかったのに、
もう物は一通り揃ってしまいました。
整理整頓や捨てるという内容の本がベストセラーになったのも、
物が溢れた日本を象徴していると思います。
更に最近では、物ばかりではなく、情報も溢れています。
私も、意味の無いネットサーフィンで
何時間も費やしてしまったことがあります。
読みたい本だけでも、枕元に何冊か積んであるのに、
これ以上「読むための時間」など作れません。
情報も多すぎているのです。
女性が美しく年齢を重ねて行く上で、
これからは「団子より花」の時代なると思いませんか。
窒息しそうな物や情報の波を上手に避けて、
本当に身になる美しい花が、私は欲しいのです。
少し前に「指輪なんか要らない!」と結婚の時に言った
女優さんが居ますが、
「指輪なんか要らないから、もっと、もっと、
あなたの愛が欲しいのよ」
と本当に欲しいモノを彼に求めたのでしょう。
これも、団子より美しい花の一つ。
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