杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第134回
忘れる>覚えている女性

「最近どうも忘れっぽくなっちゃって」
と言う方はいませんか。
それは幸せへ、一歩近づいていることです。
女性にとって記憶力も大切ですが、
それ以上に、私は「忘れること」の方が重要だと考えています。

私など人の名前さえ覚えられなく成っています。
「あの、あの、あの人。
あの人と一緒にやっている、あの人。」
とか言っているので、周囲の人間は誰が誰だか分かりません。
お陰様で超メモ魔になりました。
この5年間に観た映画の題名、映画監督名、その感想
は全てメモしてありますし、
本を読んで感銘した文章は全てメモ帖に書き込んであります。
更に、日々の生活の中で感じたことも同様に
メモに書く習性もあります。
数年前の自分のメモ帖を見ていると悲しく成ります。
あまり幸せな生活を送っている様子はなく、
嬉しいことよりもむしろ、悲しいこと辛いことを
中心にメモしています。
こんなに悲しいことばかりでは無い筈なのに。
もしかしたら、メモをすることによって
忘れようとしているのかもしれません。
些細なことでも、
忘れたいようなことは幾らでも有るのです。
「近所の人と遭って挨拶をしたけれど、
見て見ぬ振りをされた。」
「待ち合わせの時間に間に合わなくて、
ばつの悪い思いをした」
などと書いてあります。
こんな愚痴をいちいち覚えていたら、
健康上よくありません。
それをいちいち他人に話していても、
そんな愚痴を楽しんで聞いてくれる人など
何処にも居ないことでしょう。
しかし、「心のモヤモヤ」は溜まって行きます。
そしてこの「心のモヤモヤ」を一つ一つ忘れるだけで、
どれだけ日常は暮らし易くなることでしょうか。

新しい感情や情報を入れるために、
嫌なことや無駄なことを忘れるということは
とても重要なことだと思います。
容量がオーバーにならないためにも。
些細な嫌なことも、綺麗すっきり忘れ、
いつも真っ白な状態であったのなら、
きっと良い知らせが舞い込む余地も
沢山有るに違いありません。
女性が忘れてはならないのは、
「恥じらい」だけ(?)で、
上手に忘れられる女性は、年々幸福を呼びそう。


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