第146回
私がおばさんになった時
この間、私は自分がおばさんになったと感じた時が有りました。
それはスーパーのレジの女の子を見て、
「可愛いわねー」と嬉しくなったのです。
男性が可愛い女の子が好きな訳です。
なんだか、自分の心を暖めてくれるだけでなく、
社会まで明るくするような存在ではないですか。
そして、こうも感じました。
「あなたたち、こんなに可愛いのだから、
レジの仕事を辞めて他にやりたいことは無いの?
若いということは、可能性が有る、ということなのよ。
小さな時の夢はなかったの?時間が勿体ないわ!
集中力が一番冴えている時に、学びたいことは無いの?」
と殆ど老婆心です。
そして、その時気付いたのです。
「私はおばさんになったのだ」と。
勿論、私にもレジの女の子の20歳位の時は有りました。
その時は、お小遣いが欲しいのです。
やりたい事も有るけど、お洒落するお金も欲しい。
しかし、若い時にはそんな事分からない。
私が若い女の子に老婆心を抱いたのも、
もう彼女達とは同じスタートラインにいないのだと感じました。
少し前の私なら、
「どうしてこの子は可愛いのかな?」と
研究していたことでしょう。
しかし、私は男性と同様に純粋に「可愛いな」と感じたのです。
最早、ライバル?では無く、
違う場所から若い女の子を見ている自分。
もう、可愛い女の子と私は別の生き物?になってしまった?
私は自分が過ごした時間をその時に感じました。
心の中は15歳位から殆ど変わっていないという自負は、
打ち砕かれました。
私は確かに年を重ねたのです。
けれど、私は楽にもなっていたのです。
もう、こんな可愛い女の子達に混じって、
自分を磨く必要がない。
ゆっくり、自分のペースで自分の出来る範囲内で
綺麗にしていれば良いのだと許せる自分が居ました。
年を重ねるということは、
自分のペースを自分で掴む事でも有るのではないでしょうか。
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