杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第147回
築地の女性達はハンサム・ウーマン

私は築地の女性達が好きです。
朝から元気良く働いていらっしゃいます。
「はーい、いらっしゃーい!玉子焼きはいかがー」
と大きな声で営業しています。
私など毎朝、ドレミ、ドレミなどと
細かいことを一人ちまちまやっている様な者からすると、
豪快でカッコいいなと感じます。
ストレスも余りなさそうな気さえします。
「音楽を辞めて、築地で魚でも売ろうかなあ」
と私は本気に考えたことも有る程です。
築地で働く女性は、文句なしにカッコいい。
どうしてかな、と色々考えたところ、
大きな声を出して仕事をしているからではないか、
と思いました。

OLさんも最近はパソコンに向かう時間も
増えていることでしょう。
百貨店の接客も、デパ地下以外で
大きな声を出すことは殆ど有りません。
しかし、私達は一人一人が自分のことを人に認めてもらいたい
という欲求を大なり小なり持っています。
声を出して、「自分は今ここに居るのです」
と世間に向かって大きな声を出したい
と思うことは有りませんか。

最近、声を出して日本語を読むという本が
ベストセラーになりました。
私も声を出すことの重要性を感じていたので、
この本がベストセラーになった時には、
今日本人は「声を出して」話がしたいのだ、と思いました。
メールが普及し、携帯電話が普及したにも関わらず、
私達は声を出したいのです。
矛盾しているようですが、
それはきっと本当に言いたいことを
「声に出して、直接」話していないからではないでしょうか。
ほんの少し前まで、普通に一緒に居ながら
直ぐその後でメールを使って非難するということも
聞いたことが有ります。
本人に、直接非難することも出来ない人が増えているのです。
随分、面倒な世の中になってしまいました。

それに比べ、築地の女性達はハンサムで素敵。
大きな声で元気ハツラツに
「いらっしゃーい、いらっしゃーい」と接客してくれます。
やはり、この世で一番美しいのは、
生命力に溢れた女性だと思いませんか。
築地の女性達はハンサム・ウーマン。


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