杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第148回
日本の誇る女性です

ジャズ・ピアニストの秋吉敏子さんが、
今年でビッグ・バンドを辞めるため、
各地で公演をしていらっしゃいます。
私の周りでも、ブルーノート東京で観た人、
NYで観た人と居ます。
そして、その公演を観た男性が皆、
「秋吉さんはかっこよかった」と口を揃えて言います。
70歳半ばの女性が何十人もの男性を前に
きびきびと仕切っているのですから、
かっこいいに決まっています。
「ソロ・ピアノを充実させたいので、
ビッグ・バンドを辞めます」
とブルーノート東京でお話をされたそうです。
それを聞いた私の知人は、
「君も一生勉強ですよ」と私に釘を刺しました。

秋吉さんの人生については良く記事を目にします。
そして、ここまで音楽を続けるためにどれ程大変だったか。
エルビス・プレスリーの出現で、
NYの多くのクラブは閉店しました。
ミュージシャンは仕事が無くなり、
秋吉さんも専門学校のパンフレットを取り寄せて
申し込む寸前、一本の仕事が入った。
それでも食べてゆくのは大変だったということで、
一人娘さんを九州のお姉さんに預けて
NYで歯を食いしばって続けられたそうです。
私は数年前にNYでビッグ・バンドを観ました。
お客さんの数とメンバーのギャラのことなどを考えると、
続けるだけでも大変なことであるというのは
簡単に察しできました。

秋吉さんの存在は日本の女性の誇りです。
70歳を超えても、
半世紀前と殆ど変わらずに生活していらっしゃいます
彼女ほどの女性が、
「私はアーティストと言う言葉は嫌い。
皆、軽々しく乱用し過ぎています。
それ程の演奏をしている人は殆どいないのに。
私はミュージシャンという言葉を敢えて使います。」
というのを話されているのを聞いて、
そのスケールの大きさに改めて感心しました。
彼女の様な存在は次の世代の誇りとなります。
これからも日本の女性はきっと進化し続けるでしょう。


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