第158回
ピンク色の誘惑
ほんの10年前まで
私はかっこいい女性になりたいと思っていました。
甘口と辛口ならば、当然辛口の女性が理想だったのです。
服の色も大人びた色の黒、紺、グレー、ベージュくらい。
その私が、ここ数年ピンク色が好きになったのです。
カーデガンやスカーフなどで薄いピンクを刺し色として
使うと随分印象が違います。
もしかしたら、外見の若さがなくなっているので、
ピンク色で補おうとしているのかも?
10代の女の子を対象にしている雑誌は
ピンク色を基調にすると売り上げが伸びると言います。
「可愛い」感じがするからでしょう。
ピンクは赤色と白色で作ります。
少女のピンクは赤みが強い。
しかし、大人のピンクとは少し違います。
大人のピンクは白色が微妙に強いのです。
初めてピンクのカーデガンを勧められた時のこと。
店員さんが、
「このピンクは大人のピンクですから、着てみてください。
すごくお上品で可愛らしいですよ。」
私は「大人のピンク」という言葉に惹かれ、試着してみました。
「クールで大人の女性」になりたかった私は
鏡を見て驚きました。
「甘口」にも見えるではありませんか!
元々お団子頭なので、
「かっこいい」女性のタイプではなかった可能性があります。
私は自分がピンク色を着るなどということは
夢にも思いませんでした。
自分に甘口の部分があるということも驚きました。
女性も年代によって、好む色、似合う色が変わるのですね。
もしかしたら、甘口、辛口、中辛とカレーライスの様に
なりたいタイプの女性像だって変わってしまうかも。
まだまだ知らないタイプが
自分の中に眠っている可能性だって。
どんな色に出会い、別れて行くのか、
そして年を重ね、再会したとしたら?
もし、そんな冒険はできない、ということでしたら
手袋やスカーフ、マフラーなどの小物から
お試しになってみてはいかがですか?
今、私はピンク色の誘惑に惑わされてメロメロ。
|