杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第171回
洋服を持たない女性

先日の日本橋の喫茶店「えすぺろ」での話。
50年前から50円のコーヒーを出して見えるそうです。
現在は、310円。時代の流れを感じます。
美人三姉妹でお店に立って見えた頃は、
皆着物姿に割烹着は圧巻だった様で
お店に入ってきたお客さんはびっくりして帰ってしまう方も
いらしたそうです。
今は末っ子のママさんだけがお店に出ていらっしゃいます。
20年程前には、御鮨屋さんで居合わせた広告代理店の人に
スカウトされてCMにも出演したことがある、
というのですから美しさは折紙付。

ママと一緒に働く二人の女性
色々な話を伺うことが出来ました。
81歳のママは洋服を一枚も持っていない、というのです。
年中、着物。
私が伺ったときも、当然、美しい着物姿。
真っ白な割烹着も日本橋の雰囲気を感じました。
海外に行くときも、着物しか持っていないので
着物に足袋、草履で行かれるそうです。
もう、ここまで来ると「歩く文化」。
外人さん達も、日本から来た美しい女性に
心奪われる様です。
よく音楽でも、スタイルの確立をどうするのか、
なんていうことが言われます。
自分の好きな一つのスタイルを貫くことは、
なんて美しいのでしょうか。
着物の中にも自由は沢山あります。
色々な色や模様はあるのです。
その制限の中で自由でいる美しさもあるのだと、
私は実感しました。

一緒に働いていらっしゃる女性が印象的なことを
お話してくれました。
「ここのお婆ちゃまを見ていると、年を重ねるのが怖くない、
と思うようになります。
こういう風になれば、いいんだという安心感があります。」
皆さんの周りにも、周りの女性がそう感じるような
お婆ちゃんはいませんか?
そして私はこれから年齢を重ねてゆく時に、
自分も次世代の人が同じような感想を
持ってもらえる様な人になりたい。
それが私の夢。


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