第177回
愛情欠乏症よ、さようなら
物欲の強すぎる人は
もしかしたら愛情欠乏症かも知れません。
「愛情欠乏症」とは、私が勝手につけた病気の名前。
今、知らず知らずこの病気にかかっている人が
多いような気がします。
身分不相応に、ブランドの新作を買い漁ってしまう。
自分でも、本当に欲しいのかよく分からないままに、
衝動的に買い物に走ってしまう。
ちょっとしたことでヒステリーになっている人も。
精神的に安定していたときには
何でも無いようなことでも、
愛情欠乏症になってしまうと
いちいち「いちゃもん」を付けないと気が済まない。
ある時、銀座のデパートで一人の女性が
ものすごい形相で受付のお姉さんに
クレームをつけているのを目撃しました。
プライベートでも充実していないのは、一目瞭然。
「あの女性も愛情欠乏症かも知れない。」
と通りすがりに感じました。
世間に当り散らしている感じがどうしても拭えないのです。
もし、あの女性にイケメンの男性が
「分かったから、そんな怖い顔しないで」
と囁いたのならきっと淑女に変身するでしょう。
愛情欠乏症は何も、恋人や旦那様のような
異性からの愛情が無い場合になるのではありません。
人は必ずどこかで守られているのです。
もし、身内の愛情に薄い場合には、
職場の人間関係で恵まれることも多いのです。
友達が出来ないな、と思っている人でも
兄弟姉妹の仲が良すぎて友達を作る情熱を
使ってこなかったというだけのことかも
知れないではありませんか。
しかし、若いある一時期は、同性ではどうしても
埋めることの出来ない感情というのも有ります。
男女が出会い、恋をして結婚するというのは、
異性同士でしか補うことの出来ない、
感情があるからです。
これも相手あっての感情。
自分の求めた愛情に
必ずしも相手が同じように答えてくれるとは限りません。
同じ相手でも、感情にも波が有ります。
ここでどう頑張っても
愛情を得ることが出来ない時も有ります。
何処で歯車が狂ってしまったのか、
何をしても元には戻りません。
そんな時は、辛い。心がひりひり痛みます。
けれど、お願いです。
どうかその痛みに耐えてください。
きっと時間がやさしく忘れさせてくれます。
愛情欠乏症に上手にさよならをした女性は、
年齢を問わず、大人の女性の香りがします。
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