やがて本気で好きになります

第6回
映像から入門する

音だけでは伝わってこないこともあります。
とくに、入門したての人は、音だけ聴いても
“そこで何がおきているのか”がイメージしにくいと思います。
イメージしにくいことに、親しみの感情は湧きません。

そこで、「映像からジャズに入門」する方法も
一つの選択肢としてオススメしたいと思います。

最近は、DVDソフトが廉価で出回っています。
そこでとりあえず何か1枚、ジャズの映像を購入し、
耳だけではなく、目も使って、
ジャズの鑑賞をしてはいかがでしょう?

かくいう私自身も、映像からジャズに入門しました。
学生時代は、足しげく渋谷の『スイング』という
JAZZの映像を流す店に行き、
何時間も目と耳でジャズを鑑賞していたものです。

この店で最初に観た映像は、
オスカー・ピーターソンのライブでした。
微笑みを絶やさない巨大な体躯のピアニストが、
もの凄い勢いでピアノを弾いているのです。
鍵盤を縦横無尽に弾きまくる顔じゅう汗だらけの彼ですが、
終始笑顔をたやさない。
本当に楽しそうに弾いている。
しかし、顔は汗の粒で一杯。
出てくる音と、表情のギャップに驚きましたが、
このオスカー・ピーターソンというピアニストには
一気に親近感が沸きました。

また、セシル・テイラーや
アート・アンサンブル・オブ・シカゴのような前衛ジャズの演奏も、
映像から入りましたが、
おそらく音だけではチンプンカンプンな内容も、
彼らの演奏姿を見たおかげで、
少なくとも滅茶苦茶をやっているわけではなく、
考え抜かれた表現が行われていることが、
彼らの動きから実感できました。

このように、映像から入門すれば、
より一層ジャズが身近に感じられ、
演奏者に対しても親しみの念が湧いてくるに違いありません。

私がオススメしたいDVDは、
東芝EMIから出ている『ブルーノート物語』です。
ブルーノートという名門レーベルに所属していたジャズマンたちの
映像とポートレイトが巧みに編集されているので、
曲のみならず、
お気に入りのジャズマンを探し出すガイドになりますよ。

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『ブルーノート物語』
1.黒いオルフェ(デクスター・ゴードン)
2.ラウンド・ミッドナイト(バド・パウエル)
3.ドント・ブレイム・ミー(セロニアス・モンク)
4.ソング・フォー・マイ・ファーザー(ホレス・シルヴァー)
5.ニュー・ワールド・オーダー(アート・ブレイキー)
6.リトル・ウォーム・デス(カサンドラ・ウィルソン)
7.ブルー・トレイン(ジョン・コルトレーン)
8.スリー・リトル・ワーズ(ソニー・ロリンズ)


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2005年9月2日(金)

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