やがて本気で好きになります

第8回
とりあえず、この5枚! Part2

前回は、入門者向けの5枚をセレクトしてみました。

選んだ基準は、2つあります。

これらは、入門者に聴かせて評判の良かったものばかりなうえに、
「ジャズ通」が聴いても唸る内容のものばかりです。

さらに、これら5枚を一通り聴けば、
ジャズの熱気、エネルギー、カッコ良さ、ムードを味わえ、
ヴォーカル、ビッグバンド、
ピアノトリオ、ワンホーンカルテットなど、
様々なフォーマット(編成、演奏形態)での演奏を味わえます。

『サキソフォン・コロッサス』で、
豪快かつ繊細なサックスの魅力を味わい、

『バードランドの夜vol.1』で、
ジャズの熱気とエネルギーを全身に浴び、

『ワルツ・フォー・デビー』で、
ジャズの代表的ピアニストの名演に触れ、

『エラ・イン・ベルリン』で、
ジャズヴォーカルの楽しさをたっぷりと味わい、

『ベイシー・イン・ロンドン』で、
ビッグバンドの迫力を楽しむ。

この流れで鑑賞してゆけば、
少ない枚数ながらも、ジャズの様々な演奏を味わえます。

そして、大事なことは、この5枚を聴く段階においては、
とりあえず自分の好みは度外視してください。

まだジャズの右も左も分からない感性で
「好き・嫌い」や「良い・悪い」を云々するのはやめましょう。

「これがジャズってもんだ」と思い、
たとえ最初はシックリこなくても、
とにもかくにも聴き続けましょう。

ひらがなの五十音や、かけ算の九九などを暗記し、
使いこなせるまでに
何度もトライアル&エラーを繰り返すのと同じです。

かけ算の九九を覚えるのに、好き嫌いもありませんよね?
つべこべ言わずにとにかく覚えろ!
ですよね?
それと同じです。

上記5枚には、ジャズのおいしいエッセンスが凝縮されています。
この雰囲気、表現方法に感性を慣らしてしまいましょう。

これらの表現、雰囲気に慣れてきたら、
ジャズを鑑賞する上での
「鑑賞における基礎」が自身の中に形成されるはずです。
そうすれば、今後接するジャズも、
抵抗無く楽しめるようになりますよ。

ちょっと厳しいことを書いたかもしれませんが、
これらのアルバムを聴くことは、決して苦行ではありません。
むしろ楽しい行為です。

これら5枚のアルバムは、
後々の「ジャズの快楽」を得るための
最短距離の切符だと思ってください。
あなたのほうから、ジャズに近づいてゆくのです。


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2005年9月7日(水)

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