やがて本気で好きになります

第12回
ひたすら楽しいジャズヴォーカル『エラ・イン・ベルリン』

皆さんは、ジャズヴォーカルにどのようなイメージをお持ちですか?

ムーディ、気だるい、しっとり、アダルトな雰囲気…。
いずれにしても、昼か夜かといえば、昼。
健康か不健康かといえば、
不健康なイメージを思い浮かべるのではないでしょうか?

しかし、今回紹介するアルバムは、
ことごとくそのようなイメージを覆すことでしょう。

ヴォーカリストは、エラ・フィッツジェラルド。
彼女の歌は抜群にうまく、かつ、楽しい!!
さらに、エキサイティングな要素も加わったのが、
『エラ・イン・ベルリン』というライブアルバムです。

彼女の歌は、聴くだけで元気が出ます。

私の女房は、出産の直前に病院から
「入院の際は、元気が出るCDを持ってきてください」
と言われたのですが、
彼女は迷わずこのCDを
入院のカバンの中に詰め込んでいたほどですから。

《ミスティ》、《風とともに去りぬ》などの
有名曲もたっぷりと収録されていますし、
歌い方も、原曲のメロディをあまり崩していないので、
初心者にも楽しめます。

圧巻なのは、ラストの2曲です。
《マック・ザ・ナイフ》と《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》。
《マック・ザ・ナイフ》は、
以前紹介したソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』でも
《モリタート》という曲名で演奏されていた曲ですね。
聴き比べてみるのも一興です。

親しみやすいメロディに乗り、
エラは1コーラスごとに音階を上昇させ、
即興の歌詞を織りまぜながら、楽しげに歌います。
ルイ・アームストロングの声質を真似て、
ダミ声っぽく「デュビ・デュビ・ダバダ…」
とスキャットをする箇所もありますが、それもまた楽しい。

《マック・ザ・ナイフ》を歌い終え、短いMCを挟んで
《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》に突入しますが、
とにかくスキャットの凄いこと凄いこと。
まさに、全身から歌があふれ出てくる!
と言わんばかりの歌唱には舌を巻くことでしょう。

一家に一枚。つらいときにも、悲しいときにもこの一枚。
救急箱のように常備しておきたい一枚です。

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『エラ・イン・ベルリン』
エラ・フィッツジェラルド

1.風と共に去りぬ
2.ミスティ
3.ザ・レディ・イズ・ア・トランプ
4.私の彼氏
5.サマータイム
6.トゥー・ダーン・ホット
7.ローレライ
8.マック・ザ・ナイフ
9.ハウ・ハイ・ザ・ムーン


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2005年9月16日(金)

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