やがて本気で好きになります

第13回
ビッグバンドを愉しもう『ベイシー・イン・ロンドン』

最後に紹介するのは、ビッグバンドです。
今までの4枚は、
少人数編成(コンボといいます)で
演奏された名盤を紹介してきましたが、今回はビッグバンド。
ビッグバンドとは、
通常15名以上で編成される
ジャズオーケストラのことを指します(※)。

特に最近では、
昨年に上映された『スウィングガールズ』のヒットも手伝い、
ブラスバンドに入部する高校生も増え、
ビッグバンドが脚光を浴びていますね。

私は、どちらかというと
コンボ編成のジャズを中心に聴いていますが、
それでも、折にふれて、大音量で放たれる
分厚い管楽器のアンサンブルを全身に浴びることが出来る
ビッグバンドを聴くと、
日常の細々としたことを忘れ、ひたすら音そのものの快感に酔い、
興奮してしまいます。

ジャズの世界で、人気も実力も1、2を争うのは、
なんといっても、
デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団でしょう。

とくに、初心者の方には、ベイシー楽団がお勧めです。
単純明快な分かりやすさと楽しさ、
そして、ノリの良さがこのバンドの身上。
ひたすらノリのよいサウンドがこれでもかと押しだされ、
これぞエンターテインメントの一つの極地
といっても過言ではないでしょう。

そして、ベイシー楽団の傑作として燦然と輝くのが、
『ベイシー・イン・ロンドン』です。
《ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド》、
《シャイニー・ストッキングス》、
《ワン・オクロック・ジャンプ》
など、この楽団の代表的レパートリーが収録されている上に、
メンバーも最高。

猛然とスウィングするリズムに、迫力満点の管楽器の咆哮。
そして、それと良い対比をなすのが、
カウント・ベイシーの
音数少ないながらもツボをおさえたピアノです。
まるで、牛丼の上にチョコンと乗っかる紅ショウガのように、
彼のピアノは、演奏を締める良いアクセントとなっています。

この1枚のアルバムとの出会いがキッカケで、
『ベイシー』というジャズ喫茶(岩手県一関市)の
マスターになってしまった人もいるぐらいですから、
素晴らしさは折り紙つき。

ジャズの楽しさが凝縮された1枚といえるでしょう。

ちなみに、アルバムタイトルは、『ロンドン』ですが、
ジャケット写真はストックホルムで撮影されたもののようです。

※バンドによって、編成の違いはあるが、
通常は、トランペット(4〜5人)、トロンボーン(3〜4人)、
サックス(5人)、リズムセクション(4人)という編成が標準。

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『ベイシー・イン・ロンドン』
カウント・ベイシー

1.ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド
2.シャイニー・ストッキングス
3.ハウ・ハイ・ザ・ムーン
4.ネイルズ
5.フルート・ジュース
6.ワン・オクロック・ジャンプ
7.ウェル・オールライト・オーケイ・ユー・ウィン
8.ロール・エム・ピート
9.ザ・カムバック
10.ブルース・バックステージ
11.コーナー・ポケット
12.ブリー・ブロップ・ブルース
13.イエスタデイズ
14.アンタイトルド
15.シックスティーン・メン・スウィンギン
16.プリマス・ロック


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2005年9月19日(月)

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