やがて本気で好きになります

第17回
ジャズは「即興」を重視する音楽です。

ジャズとクラシックの違いの一つに、
「譜面のある・なし」があります。
クラシックは、作曲者が記譜したスコア(譜面)をたよりに、
演奏者、あるいは指揮者の解釈に基づいた演奏を行います。

解釈は人によって様々ですが、
スコアに書かれた音符を逸脱することは許されません。

一方、ジャズ。
基本的には譜面がありません。
もっとも、
ビッグバンドのようなアレンジやアンサンブル重視のスタイルは
その限りではありませんが、
4人や5人などの少人数編成(コンボ)で演奏される場合の多くは
譜面無しで演奏が進行してゆきます。

演奏の多くの部分が即興演奏で占められるため、
譜面は必要ないのです。
いや、むしろ、過去に誰かが演奏した内容をなぞることは
野暮な行為とみなされます。

なぜなら、演奏者の個性を競い、
一瞬一瞬の創造行為を大切にする芸術が
ジャズという音楽だからです。
単なるモノマネさんは偉くもなんともありません。

即興演奏こそが、ジャズの命といっても過言ではありません。
並外れた集中力と技量が必要な「即興」という行為を通して、
演奏に勢いや生命力を漲らせているのです。

ここで一つ注意がありまして、
今、ここで私が解説しているジャズは、
「モダンジャズ」という言葉で分類されている、
1940年後半以降のジャズが前提としています。

それ以前のものには、もちろん譜面のあるジャズもありましたし、
即興演奏を必ずしも重視しないスタイルのものもありました。

ラグタイム・ピアノや、スイングスタイルのジャズなどがそうです。

しかし、いつの頃からか、「即興」という行為が、
ジャズという音楽を勢いづかせるための
重要な手段となってきました。

具体的に言うと、それが顕著になるのは、
「ビ・バップ」という、
かなり前衛なスタイルのジャズが台頭しはじめた時期からです。
ビ・バップについては、おいおい詳しく解説することにして、
今日は、ジャズにおいて、とても大切な要素は、
「即興」なんだということを覚えておいてください。

え? じゃあ、自分が今まで聴いてきたあの曲も、
全部即興でやっていたの?すごいな!

いえいえ、全部が全部、即興というわけではありませんよ。

じゃあ、即興と即興じゃないところの違いは?

これについては、次回、お話したいと思います。

(つづく)


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2005年9月28日(水)

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