やがて本気で好きになります

第20回
「アドリブ」とは?(2)〜コードについて

今回より2回に分けて
「コード進行」の解説をしたいと思います。

まずは、大雑把に言ってしまうと、
「コード」とは和音、
「コード進行」とは和音の流れのことです。

もう少し詳しく説明します。
ジャズに限らず、ポピュラー音楽全般に言えることですが、
メロディにはハーモニーが伴っています。

音楽の授業を思い浮かべてください。
生徒が歌い、先生はピアノで伴奏をつけています。

生徒が歌っているのがメロディ、
先生が奏でているのがハーモニーです。

ハーモニーはメロディをより立体的に彩ります。
ときには緊張感を与え、
あるいは悲しいニュアンス、
逆にハッピーなフィーリングをも加味します。

このハーモニーは、
高さの異なる3つ以上の音の組み合わせで作られますが、
これらの音が同時に奏でられた音を「和音」といいます。

音のニュアンスを言葉で説明するのにも限界はありますが、
明るい、暗い、複雑、不思議など、
さまざまな表情が
3つ以上の音の組み合わせで生み出すことが出来るのです。

そして、これは20世紀のポピュラー音楽上、
もっとも大きな発明のひとつですが、
譜面を用いずに、この和音をシンプルな記号で表記出来ます。

コードネームです。

ギターや、ポピュラーピアノを弾いている人には、
おなじみの、C7、Cm7、Csus4、C9(#11,13)
などなどの表記ですね(もっともっとたくさんの種類があります)。

譜面に、いちいち“ド・ミ・ソ”と記さずとも、
“C”という記号がメロディを表す五線譜の上に記されれば、
演奏者は自動的にこの音を奏でられるのです。

フォークギターを弾いている人は、
歌詞の上に記されているコードを見ながら、
その場でドンドン曲を歌ってゆきますよね。

これらのコードは、楽器をやっていない人にとっては、
まるで暗号のように感じるかもしれませんが、
覚える必要はまったくありません。
覚えようが、覚えまいが、
ジャズの鑑賞にはいっこうに差しつかえはありません。

しかし、民俗音楽などを除く、
ポピュラー音楽の多くは、これらのコードが移り変わり、
曲の流れの骨格を形作っているということは
漠然と覚えておいてください。

このコードの移り変わりを「コード進行」と呼ぶのです。

(つづく)

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『憂鬱と官能を教えた学校』
菊地成孔

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2005年10月5日(水)

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