やがて本気で好きになります

第25回
ジャケ買い、あなどるなかれ

店頭で見たジャケットに惚れ惚れして、
「ジャケット買い(=ジャケ買い)」をしたことのある人も
読者の中には多いでしょう。

私も、中の音どころか、
ミュージシャンの名前すら知らないアルバムを
「ジャケ買い」してしまうことがよくあります。

これまでの経験から言うと、
ジャケットが良いと思って買ったアルバムの半分以上は、
個人的には「アタリ」でした。
残り半分は残念ながらハズレ。

これをイイととるか、ワルイととるかですが、
「なんだ、たった50%の確率か」と侮ることなかれ。
何の予備知識もない状態で、
買った半分のCDが自分の好みの内容だなんて
スゴいと思いませんか?

思うに、自分の好きなジャケットは、
眺めたくなるので、何度も手を取りますよね。
手を取れば、見るだけではなく、
中からCDを取り出して再生したくなる。
かけたらかけたで、せっかくだから、キチンと聴こうとする。
キチンとアルバムの内容を聞き取ろうとすれば、
その過程で、どんどん好きになってゆく。

だから、ジャケ買いにアタリが多いのは、
じつは聴けば聴くほど愛着が湧いた結果ともいえます。

何度も聞き返すことは良いことです。
週刊誌やテレビのニュースのように、
1回見たり聴いたりすれば
理解できて満足な世界とは無縁な世界がジャズだからです。
即興という手段を効果的に使った
一回性の強い音楽にもかかわらず、
何度聴いても、いや、聴けば聴くほど、良さが見えてくる。
むしろ、たくさん回数を聴かないと分からないことのほうが多い。
そんなミステリアスな謎解きな楽しみを持っているのが
ジャズなんですね。

で、どうせ、何度も聴くなら、
ジャケットも鑑賞に堪えるビジュアルのほうが
良いに決まっています。
ジャケットを眺めながら、
好みのジャズに耳を傾ける楽しみは別格です。
名盤に印象的なジャケットが多いのも頷けます。

みなさんも、たまにはガイドには載っていない
自分だけの好みのジャケットを見つけてみてはいかがですか?

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『クール・ストラッティン』
ソニー・クラーク

1.クール・ストラッティン
2.ブルー・マイナー
3.シッピン・アット・ベルズ
4.ディープ・ナイト


おそらく、ジャケ買い率ナンバーワンのアルバムなのでは?
もちろん、内容もお墨付です。


『ブルーノート アルバム・カヴァー・アート』
グラハム・マーシュ, グライン・カリンガム, フィーリクス・クローミー, 行方 均

ブルーノートには素晴らしいジャケットが多い。だから、このような本も出ています。
デザイン事務所に「置いてある率」が非常に高い本ですね。

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2005年10月17日(月)

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