やがて本気で好きになります

第51回
ジャズの名門レーベル、ブルーノート

前回、ブルーノートのジャケットアートについて触れましたが、
これを機会に、ジャズの名門レーベル、
ブルーノートについて解説してゆきたいと思います。

「ブルーノートなしにジャズは語れない」
と言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、40年代から60年代のジャズシーンは、
このレーベルの音源を聴けばある程度俯瞰できてしまうほど、
シーンの中心に位置したレーベルだからなのです。

前回にも紹介したハイヒールジャケットの
『クール・ストラッティン』(ソニー・クラーク)。

蝶ネクタイを締めたアート・ブレイキーの顔がドアップのジャケット
『モーニン』。

なんだかよく分からないけれども陽気なポーズが印象的な
『ホレス・シルヴァー・アンド・ジャズ・メッセンジャーズ』と
『ホレス・シルヴァー・トリオ』。

聴いたことがなくても、
ジャケットのビジュアルだけは浮かんできませんか?
これらは皆ブルーノートのアルバムです。

ブルーノートの魅力は、いったいなんでしょう? 
ほかのレーベルとはどこが違うのでしょう?

一言で言えば、ジャズのいちばんおいしいところを、
非常に高いクオリティで商品化したレーベルだということでしょう。

ジャズの雰囲気などを最良の形で、
レコードという
ビニール盤と紙ジャケットというメディアに封じ込め、
最良の形でリスナーに提供しつづけました。

また、ファンキージャズ、モードジャズ、
フリージャズ、ソウルジャズなど、
時代の流れを敏感に汲み取ったジャズをいちはやく取り入れ、
世に紹介し続けたのもブルーノートです。

また、無名の新人でも、
実力があると見込んだミュージシャンには
積極的にレコーディングの機会を与え、
多くのジャズジャイアントを育て上げたのもこのレーベルです。

迫力あるサウンドでジャズのエネルギーを封じ込めた「音の良さ」も
ブルーノートの特色といえます。

「ブルーノートに駄盤なし」という格言もあるぐらい、
このレーベルへの信頼感や人気は群を抜いており、
初心者からマニアまで、
多くのジャズファンがこのレーベルに魅せられ、
今日まで聴きつがれているのです。

今後、何回かにわたって、
この名門レーベルの秘密を
さまざまな角度から取り上げてゆきたいと思います。

(つづく)

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『モーニン』
アート・ブレイキー
&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

1.モーニン
2.アー・ユー・リアル
3.アロング・ケイム・ベティ
4.ドラム・サンダー組曲
5.ブルース・マーチ
6.カム・レイン・オア・カム・シャイン


CDのサイズだとインパクトはいまひとつですが、それでも、迫力満点のジャケット。
おっかないビジュアルとは裏腹に、非常に親しみやすい内容です。


『ホレス・シルヴァー・トリオ
&アート・ブレキー、サブー』
ホレス・シルヴァー

1.サファリ
2.エカロー
3.プレリュード・トゥ・ア・キス
4.メッセージ・フロム・ケニア
5.ホロスコープ
6.ヤー
7.ハウ・アバウト・ユー
8.アイ・リメンバー・ユー
9.オパス・デ・ファンク
10.ナッシング・バット・ザ・ソウル
11.シルヴァーウエア
12.デイ・イン・デイ・アウト


『ホレス・シルヴァー
&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』
ホレス・シルヴァー

1.ルーム 608
2.クリーピン・イン
3.ストップ・タイム
4.トゥ・フーム・イット・メイ・コンサーン
5.ヒッピー
6.ザ・プリーチャー
7.ハンカリン
8.ドゥードリン


内容は違えど、なぜか色違いの同一ポーズのホレス・シルヴァー盤。
オレンジのほうは、ピアノトリオが中心。
水色のほうは、初期のジャズ・メッセンジャーズの演奏が楽しめます。

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2005年12月16日(金)

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