時代の美意識

第13回
年を重ねることは愛しい

誰でも年がいけば、シワも深くなるし、
体も機能しなくなってきます。
体型も崩れてきて、足腰もあちこち痛くなります。

この変化に対して、
「年を取った」と思ってしまうと嘆きになります。
「年を重ねてきた」と思うと自信になります。
年を重ねるというのは、
そこまで人生を積み重ねてきたということなのです。

人間の体はいきものです。
長く使っていたら、いろいろ故障も出てくるし、
故障するのは仕方のないこと。
長年使い続けたら、
20代の頃と同じ状態でなくなっていくのは当たり前のこと。
体に無理させず負担をかけないように労わることは大切だけれど、
体の老いを嘆く必要はないのです。

体が年を取っていくことと、
年を重ねることは平行線で進んでいきます。
私の体も63年間使い続けてきて、あちこち故障も出てきています。
でも体が老いていくことが私は普通の事だと思っております。
時々足を撫でながら
「よくぞここまで支えてくれたね。よく頑張ってるよねぇ」
なんて、声をかけたりすることもしばしばです。

自分の人生も愛しいと思います。
この先70代、80代まで生きていくとして、もっと体に感謝し、
人生に感謝して、自分が老いて枯れていくことに対し、
喜びと感謝をもちたいと思っています。

年を重ねることは美しい。

街中を歩いていて、
頑固で怖そうなおじいちゃんやおばあちゃんを見ると、
その怖さもその人の人生の力量だと感嘆します。
年老いて痩せてカリカリになった体も美しいと思うし、
肝っ玉母さんみたいに
でっぷりと太ったおばあさんもかわいいと思います。

「年を取っていく」ことと
「年を重ねる」ことは似て非なるものです。
「年を取った」のではなく、
「年をこれだけ重ねてきたのだ」と今の自分に納得し、
老いていくことを誇りに感じていただきたいと思うのです。


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2009年6月23日(火)

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