時代の美意識

第40回
おつな寿司のおいなりさん

撮影現場での一番の楽しみは食べ物。
制作さんが手配するお弁当に始まり、
いろいろな方が差し入れてくれる「差し入れ」が、
何よりのみんなの楽しみでした。

それだけに、どんなお弁当か、
どのくらい量があるかは、大きな関心の的。
制作さんが気の利かないタイプで、
まずいお弁当を用意したり、数が足りなかったりしようものなら、
「今回の制作はセンスがない」とボロクソに言われます。

映画は夜遅くの撮影があまりありませんが、
テレビは朝早くから夜遅くまで、というのが通常です。
だから夜の8時、9時に必ず入る
「つなぎ」と呼ばれる休憩タイムは、
撮影で張り詰めていた緊張感がほぐれる大切な気分転換の時間。

差し入れも、制作さんが用意するものもあれば、
俳優さんの所属事務所、関係者からの差し入れなどいろいろで、
アイスクリーム、お菓子、
栄養ドリンク、サンドイッチなどの軽食と、種類もさまざまです。

なかでも大人気なのが「おつな寿司」のおいなりさん。
現場は人が多いので、200個、300個のお稲荷さんを
ドーンと差し入れるのが定番になっています。

ちょこちょこと手でつまめるからというのも
喜ばれる理由のひとつですが、
「おつな寿司」のおいなりさんがとくに好評なのは、
揚げが裏返しになっているから。
「裏番組に勝つ」という験かつぎ、
縁起の良い食べ物というわけですね。

食べ物が豊富にあると、現場が円滑に動いていきます。
それも「いくらでもあるから、何個でも食べて」という差し入れは、
最も喜ばれます。

私自身は撮影現場から離れて随分経ちますが、
今でもご縁のある方が撮影に入っていると差し入れをしています。
今度は、冷めてもおいしい
中村屋のカレーパンとピロシキを
ドンと差し入れようと思っています。

現場を懐かしく思い出しつつ、
「みんな喜んでくれるかな?」と考えて、
ちょっと幸せな気持ちになります。


←前回記事へ

2009年9月24日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ