時代の美意識

第46回
苦言と励まし

私は苦言が好きです。

落ち込んだとき、
人は誰もが励ましをありがたく感じます。
あの励ましがあったから元気になれた、
立ち直れたという言葉もよく聞きますが、
でもそれは少し違うと思うのです。

元気づけてくれる人の存在はとてもうれしいし、ありがたい。
そのなかに苦言を言ってくれる人がいたら、私はもっとありがたい。
同情でも慰めでもない、
厳しく、でも温かい言葉こそが、
窮地に立ったときほど大切になってくると私は思います。

落ち込むと人は孤独を感じます。
孤立することが怖くて、誰かに救いを求め、
励ましや慰めをもらって元気になる。
これも必要なことですが、
それだけでは人間に進歩はありません。
やはり厳しい言葉あってこそ、
次のステップ、ステージへと自分を高めてくれるのだと思います。
だから私は苦言が好き。

でも私の年齢になると、
もう誰も苦言を言ってはくれません。
ですから自分で自分を叱る以外になくなります。
言うなれば自分が自分の叱り役。
今は何かあるごとに
「田中、それでいいのか?」
と自問自答しながら生きています。
だからこそ、信念ぶれずにこれたのだとも思います。


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2009年10月15日(木)

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