中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第4回
陶磁器の英訳が「CHINA」の訳

ところで、現在陶磁器全般の事を英訳しますと
「CHINAWARE」となりますよね。
何故だか分かりますか?
下町のフリーマーケットで売っている50セントの皿も
ロイヤルコペンハーゲンの何百万もする最高級食器セットも
「CHINA」と呼びます。
どうしてでしょう?

答えは簡単です。
世界的に交易が始まった時代、
中国製の陶磁器は品質そして生産量において
世界中のそれを圧倒的に凌駕し、
一気に世界を席巻したからなのです。
それは「タバスコ」が単なる一企業の商標なのに、
そのものの名前として日本を席巻したのと
全く同じ理由です(いや多分少し違います)

という事で、
今や世界からコピー大国と揶揄されている中国ですが、
一昔前はその独創性、
そして製品競争力において
世界のトップを走っていた時代があったのです。
遣唐使の時代の白磁や唐三彩、
そして宋の時代の天目茶碗や青磁などを
その当時の世界水準と比較して見れば、
かなり突出した技術により生産されたものだった訳です。

それを現代に置き換えて言えば、
最先端技術を結集して作り上げるF1マシンのようなものでしょう。

唐時代、すなわち飛鳥時代の頃、
日本の人々は土器に毛の生えたような陶器を使用していました。
しかし、遣唐使が持ち帰った色彩々の唐三彩や
真っ白な白磁を見て、
日本人はどう思ったでしょうか?
正に、スバル360をようやく手に入れた人が、
最新型のフェラーリを見せつけられたのと
同じ感覚だったと想像します。

 
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2007年10月22日(月)

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