中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第9回
「官窯」を探せ!

前回も中国古陶磁器の優品は
信じられない価格で取引されているという話をしました。
では、どういう古陶磁器が特別高価な値段で取引されるのか?
具体的に例を挙げて説明いたしましょう。

まず、そういう高価な古陶磁器の代表と言えるのは、
皇帝の命を受け、
皇帝直属の窯で焼かれた「官窯品」という焼き物です。
純粋な意味での「官窯」は宋代に始まりました。
「官窯」で焼かれる陶磁器は民間の雑器と一線を画した
正に精巧を極めたものです。
最初は皇帝の身の回りで使われるものでしたが、
その後は異国からの訪問者へのお礼や
家来の褒美などにも広く使用されるようになりました。

「官窯品」の中でもとりあえず判別し易いのは、
明時代以降のものです。
何故なら、裏面に銘款があるからです。

「大明○○年製」(○○にはその時の皇帝名が入ります)
といった銘款が焼き物の裏側に流暢な筆跡で書いてあるのです。

大明宣徳年製 大明万暦年製
大清乾隆年製 大清光緒年製

焼き物の裏を見て、
このような銘款があるものが「官窯品」なのです。

さあ、皆様の家の裏庭にある蔵に走って下さい。
中国の古い焼き物はありませんか?
特に裏に「大明宣徳年製」などの銘款のある焼き物はありませんか?
あれば、家が建つかも知れません。
ただし、見つかったからと言って簡単に喜ばないで下さい。
その99%が後世に作られた偽モノ、
または中国製に憧れて模倣した日本の伊万里製ですから。

さて、予期せず偽モノという言葉が出てきしたが、
次回は中国の真骨頂「偽モノ」の世界について、
触れていきましょう。

中国陶磁器発展のピークと言われる清時代 
乾隆帝時代の官窯作品。
 
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2007年11月2日(金)

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