第12回
贋作とは呼べないニセモノもある
本日も中国古陶磁器のニセモノのレベル別グループ分けです。
ここからは、
誰でも簡単に真贋を判別できないレベルになってきます。
グループ3 御当地産ニセモノ。
例えば、宋時代などに栄えた窯があった場所などでは、
昔の焼き物を再現しようと真面目に作陶に励む人がいて、
それはそれでりっぱな商品として流通しています。
そういう真面目な復興品や
倣古品(過去の技術を手本にして新しい作品を作る事)
に傷や古色をつけ
「古陶磁器」と仕立てられた品が存在するのです。
これを完璧に見分けるには、
多少の知識と現地での経験が必要となります。
少し専門的な話になりますが、
宋時代の名窯と謳われた耀州窯や鈞窯など
元々その窯があった地域で倣古品が作られている場合は
胎土や釉薬などに大差が生じませんので、
初心者が一見して
本物と信じ込み大金を支払うケースを見かけます。
グループ4 時代時代の倣古品
中国には昔から「倣」という学習の習慣があります。
何かを学ぶ時には
まず先人の残した作品を完璧にコピーするのです。
その過程において、
先人達の技術的な事は言うに及ばす、
その精神性までも習得してしまおうというものです。
明時代には、宋時代の逸品が盛んにコピーされましたし、
清時代には皇帝の窯、
いわゆる「官窯」においてまでも
明時代のコピー品が盛んに作られました。
こういう作品は「ニセモノ」とは呼べず、
それなりの価値を持ってそれなりに高価な価格で流通しています。
国際的なオークションでも取引される立派な芸術品です。
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