第13回
暗躍する贋作シンジケート
前回の中国古陶磁器のニセモノレベル別グループ分けの続きです。
グループ5 最高級のニセモノです。
これは、いろいろなルートで作られていますが
全体に言える事は
プロでも判別がつかないほどレベルが高い事です。
中には国際的オークションへの
出品審査に通ってしまうものもあります。
では、こういう究極の贋作はどこで誰が作っているのでしょうか?
中国、香港、台湾などには
こういう作品を作るシンジケートがいくつも存在すると聞きます。
そういうグループは
それなりにお金と労力をかけて究極の一品を作ります。
いきなり最高レベルの作品など作れませんから
最高の陶工を雇い、日々鍛錬させておかねばなりません。
もちろん窯や材料も当時のそのままを再現します。
それだけお金をかけて贋作を作ると言っても、
希少な品を複数つくると完全に怪しまれますので、
一点勝負で大金持ちの個人コレクターに嵌め込みます。
そういう善意の第三者を経由して、
次に有名オークションに通ってしまえば、
もう完全な真品として流通していきます。
私は北京滞在中にそういうシンジケートの一人から、
そういう品を買わないかと持ちかけられた事があります。
数百万円の価格でしたが、
若かったのとお金がなかったのとで断りました。
しかし今となっては
後学の為に買っておけば良かったなぁと思います。
とにかく中国古陶磁器の世界はニセモノとの戦いです。
しかし、ニセモノが一切なくなってしまえば、
中国古陶磁器コレクターとしては
収集意欲が減退してしまうのも事実であり、
そういう怪しさがあるのも
中国古陶磁器の一つの魅力となっています。
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