第14回
掘り出しものを探せ!!
前回までのコラムでも書いたように、
本物且つ魅力ある中国古陶磁器を探す事は容易ではありません、
かと言って信頼できるオークションなどで
お金と引き換えに
簡単に欲しい品を手に入れるのも味気のないものです。
やはり古陶磁器はじめ骨董品の魅力というものは
単にお金と交換に欲しいモノを手に入れる事だけではなく、
そのモノを掘り出すまでの苦労を楽しみ、
『自分のお宝は国宝級に違いない』
なんて思いに耽ったりする所にあると思うのです。
宝くじと同じで殆ど当たらないんだけども、
最初の頃はついついガラクタの中から
「お宝」を探したくなるのが人情なのです。
では、私と中国古陶磁器との出会いの話をしましょう。
それは、ある一本のビデオテープがキッカケでした。
私は当時(1994年頃)北京に住んでいて、
たまたま借りた日本のTV番組が入ったビデオに
「なんでも鑑定団」
という番組が含まれていました。
その中で
「いい仕事をしてますね〜」
で有名な先生が
焼き物の裏に「洪憲年製」という銘款がある焼き物があれば
身銭を切って買うと言っていたのです。
何故かその話に興味を持った私は
次の日から北京中の骨董屋を巡り
「洪憲年製の磁器はないか?」「洪憲年製の磁器はないか?」
と探し歩いたのです。
中略
そうこうして半年が経った頃には、
北京で私の顔を知らぬ骨董屋はもぐりだと言われる程の
骨董マニアになっていたのです。
(何故、私が突然
洪憲年製の磁器に興味を持ったかについては後述します)
それからというもの、
凝り性の私は色々な書籍から古陶磁器に関する知識を勉強し、
また実地でも博物館からオークション
そして骨董屋や骨董市など
ありとあらゆる場所を回り見識を高めました。
その中でも私にとってかけがえのない経験をさせてくれたのが、
北京の藩家園という所で毎週末開催された骨董朝市でした。
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北京骨董朝市で掘り出した品 その 1
<唐時代の白磁香炉>
買う時には香炉と言われましたが、
私は携帯用のコオロギ入れだと決め付けています。
コオロギを闘わせる競技は現在も中国で盛んですが、
それは唐代以前の昔からありました。
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