中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第23回
土器・陶器 暗黒の時代

新石器時代に花開き、
その芸術性において時代の最先端を走っていた
「彩文土器」でしたが、
土器から初期の陶器に移行していく時期に大きな変化が現れます。

紀元前1200年頃「中央集権国家の誕生」つまり、
殷時代の始まりです。
そして、それと同時に普及したのが『青銅器』です。
国家が誕生すると、その大きな権力を基にして
人々の労働力や能力が総動員され、
より高度で付加価値の高い文化が作られます。
この時代に始まった青銅器文化はその圧倒的な輝きをもって、
土器文化を駆逐します。

現在見る殷時代の青銅器は緑青がその輝きを覆い隠していますが、
当時燦然と光り輝いていたそれらを見た豪族達が
競い合って青銅器を作らせた事は容易に想像が付きます。

つまり、権力者が魅力を感じるモノの対象が完全に土器から
「青銅器」に変わってしまったのです。

この土器・陶器の冬の時代は異常に長く、
紀元前1000年以上前から
漢の時代まで1000年以上も続いたのでした。
それ程、青銅の輝きは人々を魅了したとも言えるでしょう。

では、その間かつての主役土器達はどうなっていたのでしょうか?
その貴重性や芸術性という意味では
完全に「青銅器」の陰に隠れてしまった土器ですが、
食器などの日常品、
または死んだ人と一緒に埋葬する明器として
民間に大きく普及していきました。

つまり、陶磁器は人々の生活に用いられる道を選び
進歩し続けていたのです。

東京国立博物館の贓品の殷(商)時代の青銅器

青銅器は主に祖先や神々の祭祀のために作られました。

東京国立博物館リンク
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00

 

 
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