中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第44回
古陶磁器の鑑定について・・

現在コラムの本流としましては
「宋の五大名窯」について順を追って解説している所ですが、
今回はちょっと横道に逸れます。

たまたま先日、当コラムの読者の方から、
自分の陶磁器を鑑定してくれないか
というメールを頂戴いたしましたので、
古陶磁器の鑑定についてお話したいと思います。

以前のコラムでも中国古陶磁器は
贋作(ニセモノ)との戦いであると述べましたが、
本物とニセモノを見分ける判断
つまり鑑定は容易な事ではありません。

他の美術品でも贋作問題は存在するでしょうが、
こと中国古陶磁器については
その中でも特別身近にその問題が存在すると思います。

中国では古くから贋作や倣作が多い事ですし、
現代においても中国内の人件費と
海外での中国古陶磁器の価格の格差から
高等な贋作作りが横行しています。

そういう理由で誰もが中国において
簡単に贋作を掴まされる可能性が高いのです。

では、鑑定と言う作業について私が思う事を書きます。

まず第一に鑑定という行為は、
どんなに高名な専門家であっても、
あくまでそれを行う個人の主観であって、
それが100%正しいという事は有り得ません。

鑑定において、今世界で一番信用できると思うのは、
国際的なオークション会社の鑑定だと思いますが、
それにしても同じ品物に対して本物だと言う人もいれば、
いや二セモノだと判断する人もいる訳です。

そういった場合は圧倒的多数の意見が採られるようですが、
疑問に思う人が複数人出た場合は
「疑わしきは出品せず」の原則に従い、
オークションの事前審査に通る事はありません。

また、骨董業者や学者や研究者においても、
90%の比較的見分けが簡単な品物においては
大体意見が一致しますが、
残りの10%のどうとも言い難いものついて、
その見解が異なる事は当たり前の事です。


※今後当コラムにおいて中国古陶磁器鑑定のコーナー
「ハイハイ天さん、天さんです」(仮題)を開設いたします。
ご希望の方はメールに、
ペンネーム・性別・年齢・年収などのプロフィールと
その品物を買った状況と価格、
そして出来るだけ鮮明な画像
(必ず底面も写す・手書きイラストでも可)を添えて申し付け下さい。

※尚、鑑定料はプライスレスです。

※もちろん、鑑定については私の主観になりますので、
鑑定結果に一切の責任は負えません。

南宋時代、龍泉窯の盃

私は本物だと思っているが、
中国人骨董商に
「器形は南宋風、釉薬は元時代風で矛盾がある」
と言われた。

 
←前回記事へ

2008年1月21日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ