第53回
ハイハイ天さん、天さんです
たまたま前回のコラムで紹介した
「鈞窯」についての鑑定依頼がありましたので、
紹介したいと思います。
<依頼者>
乾隆帝ファン
中国古陶磁器愛好暦 20年
北京在住
<依頼文>
天青庵様、いつも楽しく見ています。
送りました写真は、
5年程前に中国の骨董店にて800元で買い求めたものです。
元代作の鈞窯香炉という事でした。
鑑定願います。
ハイハイ天さん 鑑定依頼品
正面 |

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底面 |

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<鑑定結果>
画像だけですので断言はできませんが、
現代作だと思います。
器形は素晴らしいと思いますが、
釉薬の表面に科学的処理がされていると推定いたします。
中国において、この手の古陶磁器は殆ど発掘品ですので、
本物はその表面がカセている場合が多くなります。
「カセる」とは古陶磁器用語ですが、
器物の表面が土中にあって自然に侵食され、
古びれた風情になる事です。
中国古陶磁器の偽モノの多くはこの「カセ」も模倣しています。
その方法は簡単で「フッ化水素」という薬品に
しばらく漬けるだけです。
依頼の「鈞窯香炉」はそれをやり過ぎた感があります。
表面のガラス質の光沢が完全に溶かされて
嫌な感じになってしまっています。
○結論 不自然に表面のつやが失くなり、
古めかしい感じの古陶磁器の多くはニセモノです。
※ハイハイ天さんでは、
引き続き鑑定依頼をお待ちしております。
中国古陶磁器に限らず、
全てのものを鑑定いたします。
応募はこちらからどうぞ。
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