中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第56回
骨董収集を楽しむ為に・・

これは中国古陶磁器だけではなく、
骨董品収集全般に言える事なのですが、
骨董愛好家と呼ばれる人の多くは
自分の所有品に関しての評価が甘くなりがちです。

特に知識や情報の少ない人に限って
「自分の所有品は国宝級だ、
売れば数千万、いや億の価値がある」
なんて言い張ることが多い事は
テレビの鑑定番組を見れば分かります。

私も中国古陶磁器の収集を始めた当初は
「自分の目に間違いはない」
なんて自惚れていたものです。
しかし、目筋の確かな先輩や専門的業者などとの関わりの中で
自分の見識がいかに狭いものだったかを思い知る事になります。

今まで本物だと信じて疑わなかった品物の殆どが
ニセモノまたはあまり価値のないものだったと認識する事から
ようやく骨董収集家の道が始まるのです。

お遊びの方は別として、
本物の収集家になる為には、
品物に対して自分に都合の良い解釈はせずに、
できるだけ多くの人の意見を聞き
客観的に判断しなければなりません。

それと、良いコレクターになる為に
まず心しておかなければならない事は、
市場価格からかけ離れたような安値で掘り出したなんて
何の自慢にもならない事です。

現代の骨董品収集において掘り出し物を必死に探す行為は
「安物買いの銭失い」を実践する事に他なりません。

骨董は自分が楽しむものですから、
別にニセモノばかり集めても自分さえ満足していれば、
特に問題はないように思えます。

しかし、多くの場合はそうは簡単にいきません。
何故なら骨董品は結構高額のモノも多く、
金銭上の損得が発生するからです。
いくら寛大な人でも100万円で買った骨董が
5000円の価値しかなかったら騙されたと思うでしょう。

要するに骨董品は本人が集めて眺めている間は
何の問題もない訳です。
問題はその品物を売ろうとした時に、
自分が買った価格と同等かそれ以上で売れるかにあります。

値段のつかない骨董品には価値はありません。
逆に言えば価値があれば、
必ず値段がつくのが骨董品の世界なのです。

そういう意味では、
常に自分の所有品の価値を知っておく事が必要です。

その為には、
やはり目筋の良い業者さんと
良い付き合いをさせてもらう事が重要になります。

目筋の良い業者さんの周りには、
これまた目筋の良いコレクターが集まっています。
そういうコミュニティーの中に入っていく事により、
自分も目筋の良いコレクターになっていける訳です。

ヘンテコな品物を後生大事に抱えている人に限って
外部との接触を断ち自分の世界に閉じこもりがちになります。

やはり良い骨董品はあるべき場所にしか無い事を知るべきです。

 
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2008年2月18日(月)

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