中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第70回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼人

<名前>マリア
<性別>女性
<年齢>推定29歳
<特技>投資で損をする事

○依頼文

初めまして、いつも楽しく拝見しております。
私はオーストラリアに住んでいるのですが、
依頼の陶磁器はシドニーの骨董店で買ったものです。

最初は古い日本製かなと思って購入したのですが、
裏に書かれた「漢字?」らしきものは全く読み取り不能です。
鑑定お願いします。

一見、中国風に見えるが・・・

なにやら、漢字風の文字が・・・

 

○鑑定結果

面白い焼き物ですね。
これは、ある意味ダブルのニセモノです。

17世紀後半、オランダのデルフト窯という窯で、
当時輸出品として大変人気のあった中国景徳鎮製の磁器や
日本の伊万里焼などの模倣品が焼かれました。

近代に入り、景徳鎮や伊万里焼を模倣したデルフト窯製の陶磁器は
それはそれで評価されるようになり、
結構な金額で取引されるようになりました。

それを見た、贋作商はデルフト窯が
景徳鎮磁器を模倣した陶磁器を更に模倣した焼き物を作りました。

依頼の作品は、そのような流れの中で焼かれた中でも
レベルの低いニセモノだと言えるでしょう。

絵付けは稚拙ですし、
裏には漢字風の書体で何か書かれてありますが、
確かに「もう少し気を入れて真似したらどうか?」
と言いたくなるような適当さです。

でも、嫌味のない可愛い焼き物ですので、
「ニセモノのニセモノ君」
と名づけ、福神漬け入れとしてお使い下さい。

○結論

真似ようとした漢字は「犬猿」だと思います。

 
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2008年3月21日(金)

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