中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第80回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼者

ペンネーム K・Y
職業 サラリーマン
年齢 39歳

○依頼文

いつも楽しく貴方様のコラムを拝読しております。
依頼品は漢の時代の緑釉という種類で、
京都に出張した際に骨董祭りで購入したものです。

釉薬の剥げ、ニュウが2、3本あったので
比較的安い価格(4万円)で購入しました。
高さは約13センチ、直径が22センチほどです。
入手時から桐箱も付いています。

私はおそらく本物だろうと思っているのですが・・・・・。

漢の緑釉の香炉
40年前なら100万円以上はしたが・・

 

○鑑定結果

画像から判断する部分においては、
造形、銀化の状態、古色などに矛盾を感じません。
真品と判定いたします。

漢の緑釉については、以前のコラムでも書きましたが、
これは日本人に特別人気の高い焼物で、
1960年代には「この焼物一つで家が建つ」
と言われたほど希少で高価なものだったのです。

しかし、70年代からの中国高度経済成長の中、
道路などのインフラ工事が進み、
多くの漢時代の墳墓が見つかりました。
同時に大量の漢の緑釉が発掘され世界中に流通します。

その後、私の持っているある銘柄の中国株と同じように
その価格はどんどんどんどん下がり続けます。

60年代に200万も300万もしていた価格は、
90年代には1/10まで下がりました。
そして下げ止まると見せかけて、
また新しい発掘があり、底値をつけ続けます。

漢の緑釉は、現在も新しい発掘があると見えて、
その流通量は増え続けています。
ですので、価格はよほどの逸品でないと
数万円〜数十万円で買えてしまう時代になってしまいました。

○結論

株だけに限らず、
骨董価格にも暴落があります。
60年代に300万で買った人はエライ目に遭っていますが、
今漢の緑釉は「買い時」です。
博物館にあるような逸品に我々のような
一般コレクターの手が届くチャンスでもある訳です。

 
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2008年4月14日(月)

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