中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第83回
ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼人  

ペンネーム 顔隗
職業    時々派遣
年齢    天青庵先生より少し上
入手場所 京都の某オークションショップ
金額    忘れたが数万円 〜 10万円

○依頼文

天青庵先生
よろしくお願い申しあげます。
赤絵と思われる双龍文,経約30cmの皿です。
縁の金色がかなり時代スレしているので古いかと思うのですが,
五爪の龍がひっかかります。
皇帝の象徴だそうで、
光緒帝時代だと皇帝の持ち物しかありえず、
やはり後年の偽物でしょうか?

依頼品 正面

依頼品 銘款

 

○鑑定結果

非常に丁寧な作行きで、
清朝光緒官窯の真品と言いたい所ですが、
やはり後年に作られた倣作でしょう。

銘款や龍の描き方に若干の違和感を感じます。

本物の光緒官窯磁器

金彩の剥落は他の釉薬と違い、
比較的短期間で起こりますが、
依頼品を見た感じだとつい最近作られたものではないと思います。

この作品は、
中華民国以降に焼かれたものだと推定いたします。
中華民国に入ってから景徳鎮で焼かれた清朝官窯風の磁器には
清朝の官窯名の銘款が
そのまま書かれてあるものが多く存在いたします。

そして、そういう精品は『ニセモノ』と扱われるのではなく、
倣古品として正々堂々と流通しています。
中国陶磁器のオークションにおいても
中華民国時代の倣清朝官窯磁器には
数十万円から数百万円の価格が付けられます。

ただし、この作品はそこまでの精品ではなく、
一般的に生産されたものだと思いますので、
買われた価格が適正な価格だと思います。
贋作と呼ぶのではなく「倣古品」です。

○結論

光緒帝はあの悪名高い『西太后』によって、
三歳という幼年で無理やり皇帝という立場に祀り上げられました。
その後、成長した光緒帝は
政治的な策略で監禁されたままとなります。

3才で無理やり即位させられた「光緒帝」
(画像はWikipediaより)

つまり、本物の光緒官窯の品には
そういう呪いがかかっていますので、
本物は持たない方が良いのです。

 
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2008年4月21日(月)

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