中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第91回
ハイハイ天さん、天さんデス

<今回の依頼>

○依頼者

名前 HAYAMA
職業 不動産業(新宿区)

○依頼文

今回鑑定をお願いするのは
今から30年ほど前某国大使館員より頂戴した物。

欠けているので
フリマに出しても買い手がつく様子もなくと言っても、
麗々しく飾り置きしなければ
相手様の誠意を疑っているようでもあり、
と言って飾れば恥をかきそうでもあり往生いたしております。
物の価値が全く分からないので往生いたしております。
30年来の懊悩に光を与えていただきたく
鑑定をお願いする次第です。


依頼品


依頼品(底面)

 


○鑑定結果

この焼物は中国の物ではなく朝鮮の焼物ですね。
朝鮮の焼物は専門外ですので、分かる事だけ書きます。

時代的には
李氏朝鮮(李朝時代1392年〜1910年)後半の作品だと思います。

このように白地に青色の文様の焼物を
日本では「染付け」と呼びます。
染付けの中でも、この『李朝染付け』は
日本人に大変人気が高い焼物で、
中国明時代や清時代のそれよりも断然愛好家が多い事から、
好まれる作品にはべらぼうな価格が付きます。

ただし日本人に好まれるのは時代が更に古く、
文様ももっと日本の茶道に通ずる詫び寂びが感じられる
シンプルな「秋草文」のような作品になります。

依頼の李朝染付けの壺は、
生き生きとした鳳凰の図柄が描かれた民間の窯で焼かれた作品です。
欠けていなければ、
一ヶ月暮らせる程度の金額で取引されると思います。

○結論

こういう陶磁器は正に使ってナンボ。
そういう意味では最高の壺です。

春には桜の枝、夏にはひまわり、秋にはススキ、
冬には雪だるまをぶち込んで玄関に飾りましょう。
見る人が見れば「センスいいじゃん!!」となります。

※依頼のあったもう一点の作品の方は更に時代が古く
高麗時代の雑器ですが、
そんなに高額のものではございません。

 
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2008年5月9日(金)

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